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2007年8月16日 (木)

ペッティネ その2

以前書いた、ホームページの写真、ペッティネの続き。

店でマッケローニを作るのに使っている道具、ペッティネは
モデナの調理道具屋さんで購入したものだ。

モデナ2件目の郷土料理のレストランで働いていた頃、
店のオーナーでソムリエのおじさんにペッティネが売っている場所を
尋ねた。

おじさんは、チャップリンに似た風貌で、動きもコミカルだった。
いつも冗談ばかり言っていた。そして他のイタリア人男性の例に漏れず、女性好きだった。
綺麗な女性がお客さんにいると、そのテーブルのオーダーを調理場に通す時、
『マッケローニ1つ!con passione!(情熱を込めて!)』と言ったり、
メルカートへ行く時は、途中に美人の女性が経営している店があって、必ずそこで道草を食っていた。

ある時一緒にメルカートへ行った時、二人で歩いていると、
おじさんが
『おい、いまの女の人見たか?』と言ってきたので、
見ていないと言うと、真顔で
『お前は本当に男か?女に興味ないのか?』
と聞かれた。

そんなおじさんだったが、仕事はいつも一生懸命だった。
ただ、早口で、字もド下手なので、イタリア語に不自由していたその頃の僕は、料理のオーダーが、耳で聞き取れず、目でも読めないので途方に暮れた。

ペッティネの購入先を聞いた次の日、
買い物に出かけたおじさんが、いつも以上になかなか戻ってこない。
調理場の、ナポリ出身の、気の強い奥さんが
だんだんイライラしてきた。
やっと戻ってきたおじさんが手にしていたものは、昨日僕が尋ねた
ペッティネだった。
代わりに買ってきてくれたんだ、と嬉しくなって
『ありがとう。幾らだった?』と尋ねると、
おじさんは、
『これは、俺からのプレゼントだ。これを日本に持って帰って
使いなさい』と言ってくれた。
僕のイタリアでの窮乏生活を知ってのおじさんの優しい心遣いに
感激した。

だから、店で使っているペッティネは、
正確にはイタリアで購入したものではなく、
プレゼントされたものだ。
だから、自分で買ったものより大切だ。
一生使っていきたい。

da Rigolettino

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